日本でも平安時代から歯を治療する人がいたようです。絵巻物にもその様子が残っています。 江戸時代になりますと、入れ歯師と言う職業としてありました。特に有名なのは木製義歯で「つげの木」を削って顎にあわせ、前歯のところは白い石をはめ込み、臼歯の噛むところは釘を打ち付けて作ってありますが、この義歯の原理は今の義歯とまったく構造的にも同じです。木製義歯は日本で多く、今でも残っています。江戸時代には女の人が結婚すると「お歯黒」といって歯をタンニン酸で染める習慣がありました。
従って歯を楊の木で作ったブラシ様のもので掃除をしてその後筆で歯を黒く染めました。
後の研究でこの「お歯黒」に使うタンニン酸銀は虫歯の進行を防ぐ効用があり、それと同じ原理で小児歯科で現在も多く使用され虫歯の進行を防いでいます。
この様に日本の現在の歯科医療(特に保険)は緊急治療 と修復治療でそのコンセプトはまったく古臭い古典的といって過言ではない。
疾病中心の歯科から健康中心の歯科医療を目指すには徹底した細菌との戦いを日本の歯科医療が行うべきことでしょう。
ミラー博士が18世紀の終わりごろちょうどパスツールの頃に虫歯の原因は細菌であるという説を立てました。それも乳酸菌らしいといったのです。これは実証されずに虫歯細菌学説といわれていたのです。そのような説が立てられてからちょうどフランスの清潔革命と同じように歯が不潔であってはいけないということで、歯を磨くことの必要性が叫ばれました。日本でも大正の中頃から6月4日虫歯予防デーという日を作って歯を磨くことを奨励しました。
小学校でも歯を磨くという習慣を作るための衛生教育をはじめたのです。これはもう80年前から行われていることです。
朝晩歯を磨きなさい、歯ブラシも家族それぞれ自分のブラシを使いなさいと教育しました。細菌と食物とが一緒になって細菌が繁殖して虫歯になります。寝ている間に虫歯菌が増え虫歯になります。
虫歯の穴があるとその中に種々の細菌が住んでいます。ちょうどこの頃(大正中期)結核の時代で国民病といわれるぐらいに流行していました。この虫歯の穴には結核菌もいるので、それが気管に入り肺に侵入して結核になる恐れもあるというように口の中の衛生の必要性を単に虫歯の予防だけでなく結核の予防につながると説明しています。
今では寝たきり老人の人たちが口の中が不潔であるとその細菌が唾と一緒に間違って気管に入り老人性肺炎になることを警告していますが、今と、ほとんど80年前に言っていたことと同じなのです。
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