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細菌の逆襲
その後科学が進んでワクチンが開発され、また抗生物質が発明されました。細菌との戦いに勝利しました。 
私たち中高年の人たちの腕には種痘の跡があります。これも1800年代の中ごろにあの有名なジェンナーの話があります。その当時、天然痘という病気が流行しました。これは死亡率も高く、大変な猛威をふるいました。ジェンナーは自分の子供の腕に天然痘の細菌を種痘して身体にその細菌の免疫を証明し、それが天然痘を予防することができるようになりそれからちょうど20年前地球上に天然痘という病気は無くなりWHOは天然痘に対する勝利宣言をしました。
これらの細菌もテロに使われる時代になりました。炭素菌のテロ騒ぎがありました。そのとき一番の恐れは天然痘の細菌をばら撒かないかということでした。天然痘はもう世界に無くなりましたから、種痘をする必要がなくなったので、多くの人たちには免疫がありません。そこで、ワールドカップテロに備えて急遽日本でも天然痘のワクチンを三千万人分用意したといわれています。
50年前まではチフス、コレラ、ジフテリアなどの病気を法定伝染病といい、コレラにかかると伝染病隔離病棟に入れられ家族からも隔離されました。私の子供の頃も夏に氷などを欲しがると「桃山病院(大阪の伝染病専門病院)に入れられるぞ」と脅かされたものです。
学校で友達が伝染病になると保険所から白衣を着た人が彼が座っている椅子を消毒し、生徒たち全員がワクチンの注射を受けたものです。
今ではこれらの病気はほとんど消滅しました。たまに東南アジアでコレラ菌をもらってきた人が新聞種になるくらいです。 しかし4、5年前大阪堺市でO157が流行しました。それは誰でも持っている大腸菌が抗生物質などによって耐性を持ち、それが力を得て人間に逆襲を試みました。日本はその逆襲で大騒ぎをしました。私の孫も堺の小学校でやはりO157に感染しました。最近でも私の家へきて食事をする前に洗面所でちょうど外科医が手術をする前に手を洗うように手の隅々まで数分がかりで手を洗って食事をするのには驚きました。今でもその戦いは続いています。
病院でも最近院内感染が起こっています。MRSAという「ブドウ状球菌」の一種で、これも抗生物質の耐性を持ち、せっかく癌の手術で助かった人がこの菌の感染で命を失うこともあります。今病院では病院内を清潔にすること、看護士や医師は病室の出入りには必ず手を洗うことが義務付けられ、細菌との戦いの原点を見直す反省が行われています。
50年前まで結核は日本の国民病といわれるほどに蔓延し、日本の若者のほとんどの人が結核に感染していました。戦後結核予防法という法律の基にツベルクリン反応で結果の免疫を調べ、陰性のものはBCGのワクチンの接種が義務付けられ、また、抗生物質の発見により結核は一時本当に日本では少なくなりました。しかし、最近病院内での結核の集団発生や学校の教員が結核にかかり、その学童なども結核に感染していたということなどが報道されています。
これらは少し細菌との戦いで油断があると逆襲が始まるのです。また、今では細菌との戦いのほかにウィルスとの戦いがあります。肝炎ウィルス、また、恐ろしいエイズの挑戦があります。
日本人は世界有数の清潔な生活をしているようです。スーパーでは土ひとつついていない野菜があふれています。車のハンドルも抗菌コートをしてあるものが売っているようです。あまりにも清潔すぎるとその行き過ぎで抵抗力、免疫性が失われると警告する学者もいるようです。
私たちは細菌や微生物とどのように共存していくかが問題なのです。
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