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■歯科治療プロセスのシステム化
私たちは、患者の若人期、成人期、老人期に適合した総合的な歯科治療を行っているわけですが、 問題は初期治療が終わって歯科的健康を取り戻したあとのことです。これ以上に疾患が進行し悪化しないように歯の健康を守り、維持管理していかなければなりません。
このためにはプラックコントロール、メンテナンスなど歯科医と患者の双方が手を取り合って協力していくことが必要です。それまでも「リコール制」といって患者さんにハガキや電話で定期的に検診を勧めていたのですが、各人の自主性にだけ任せるわけですから効果が上がらず、実施率はわずか30パーセント止まりでした。
私は定期検査の受診率を向上させるにはどうしたら良いか考えました。
また、患者が「歯の健康」への関心を一段と高めるためには「今世界のスタンダードな歯科治療がどうなっているか」という情報を正しく伝えていく必要もありました。歯科に対する情報が一般的に極端に少なく、たまたまあっても大変片寄ったものでしかないことが問題だったのです。
同時に私たち歯科医にとって、自分たちの「総合歯科医療」が初期治療からメンテナンスを通してどのような成果が上がっているのかを疫学的に知る必要もありました。
自分の行ってきた治療や予防の結果を、個人個人の患者だけでなくマス(集団)としてしっかりと数字で把握することは、これから先、よりよい成果を得るためにはどうしたらいいか、という将来計画にもつながっていくわけです。
様々な条件を満たす答えとして、川村歯科にメンテナンスにこられた人たちを組織化してクラブを作ることを思いつきました。クラブ員たちに、組織のメンバーとしての責任を感じてもらうとともに、お互いが啓発しあって自分だけでなくクラブ全体の成果にも関心を持ってもらうことができるわけです。
- グループ結成にあたって考えた基本コンセプトは次の4点でした。
- (1) メンテナンスの疫学的調査を行うにあたっての母集団の組織となる。
(2) 初期治療の成果を疫学的に分析するため、治療計画から一連の治療プロセスがシステムとして行われるなど、母集団としての統一した質の均一化が必要である。
(3) メンバーが個人としてだけでなく集団の相互連帯感を持ち、責任の共有をはかっていく形が望ましい。
(4) 「口の健康」がクオリテイ・オブ・ライフにどのように貢献するかということを集団の活動の中で実感できることが必要である。
全人的歯科医療では、「歯の健康」への行動を継続していくモチベーションが必要なわけですが、今までの歯科医と患者という二者間だけでなく、クラブ員同士も相互に刺激しあえる効果が十分期待できました。
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